【層流ダイカスト技術】
従来の通常ダイカスト法は、製品内部にガスを巻込んだ巣穴があるため、熱処理が難しいという欠点があります。そこで同社では、巣のないダイカスト鋳造法「層流ダイカスト法」を1990年に実用化しました。金型に溶湯をゆっくりと層流状態で充填し、高い圧力をかけて急速凝固させることで、鋳巣がなく寸法精度の高い製品の生産を可能にしました。この「層流ダイカスト法」を使うことで、内部欠陥の無い耐圧性に優れた高強度の製品を効率的に生産できるのが同社の強みです。
【自社開発ダイカスト用高機能アルミ合金】
従来のJIS規格合金では得られない機械的性質を持つダイカスト用アルミ合金を自社開発しています。たとえば、優れた伸び特性を求めて開発したSN-3合金は、転倒しても折れないハンドルレバーとしてアルミ鍛造にかわり、各オートバイメーカーで採用されました。
また、ヂュラルミンに匹敵する強度を求めて開発したSNGシリーズ合金は可鍛鋳鉄部品のアルミダイカスト化により、軽量化とコストダウンを可能にして自動車部品に採用されました。
このように、従来は不可能であったダイカスト化によるコストダウンと軽量化を実現するために、製品のニーズに合わせた独自のダイカスト用アルミ合金の開発を行っています。
【汎用横型ダイカストマシン】
他社の層流ダイカスト類似法での鋳造には、専用の立射出鋳造機が使われています。一方、同社では試行錯誤を繰り返し、普通ダイカスト用の横型汎用マシンを使って層流ダイカスト法を行う技術を蓄積してきました。今ではスイッチの切り替えのみで、普通・層流ダイカストのどちらの鋳造法にも対応可能です。高価な専用機の導入コストが削減できるうえ、同じマシンを普通ダイカストと併用できるため、他社では難しい低コスト・小ロット生産にも柔軟に対応できます。