ソニーセミコンダクタソリューションズグループは、イメージセンサーを中心として、マイクロディスプレイ、各種LSI、半導体レーザーなどを含むデバイス事業を展開しています。
中でも同社は、本社機能および研究開発と商品企画・設計を担い、最先端の製品を生み出しています。
【ソニーにおける半導体事業】
ソニーの半導体事業は1954年に日本で初めてトランジスタを商用化したことから始まります。それ以来、ソニーの独創的な製品や市場の創出に貢献し続けています。イメージセンサーの分野では1980年に世界初のCCDカラーカメラを商品化し、さまざまなヒット商品を生み出しました。2004年以降は低消費電力で高速読み出しを実現したCMOSイメージセンサーへ注力し、2009年には裏面照射型CMOSイメージセンサーを、2012年には積層型CMOSイメージセンサーを世界で初めて商品化しました。スマートフォン市場の拡大を背景に、現在もイメージセンサーにおいて業界トップを走り続けています。
ソニーは、1996年にCMOSイメージセンサーの開発を始め、2000年にソニーとして初めてのCMOSイメージセンサー「IMX001」を商品化しました。当時のCMOSイメージセンサーは、薄暗い場所でノイズが多く、画素数でもCCDに劣っていました。動画の画質がSD(StandardDefinition)からHD(HighDefinition)へと変わりつつあり、読み出し速度が遅いCCDは、いずれ高解像度データに対応できなくなることを見越し、ソニーは、2004年にイメージセンサーの開発をそれまでのCCDからCMOSイメージセンサーに注力することに、大きく舵を切りました。世界No.1シェアのCCDから、僅かなシェアしかなかったCMOSイメージセンサーへ転換する決断でした。その後、2007年には高速、低ノイズを実現した独自のカラムA/D変換回路搭載のCMOSイメージセンサーを、2009年には従来比2倍の感度を実現した裏面照射型CMOSイメージセンサーを商品化し、その性能は人間の眼を超えるまでになりました。さらに2012年には画素部分と信号処理部分の積層構造により、高画質、多機能、小型を実現した積層型CMOSイメージセンサーを商品化、2015年には小型、高性能、生産性向上を実現したCu-Cu(カッパー・カッパー)接続を世界に先駆けて実用化するなど、技術革新を重ね、常に業界をリードしています。
【イメージセンサー市場】
レンズから入ってきた光を電気信号に変換するイメージセンサーの市場は拡大傾向にあり、市場の牽引役であるモバイル領域では、多眼化、大判化を中心に今後も市場成長を見込んでいます。また中長期的にはモバイルセンシングの市場拡大も期待されます。AV領域全体では市場縮小が進みますが、高付加価値市場は成長していきます。
さらに、AIやIoTの進展にともない、オートモーティブ用途やファクトリーオートメーション、セキュリティなどの新規領域でも市場拡大が続いています。
スマートフォンの普及が成熟してきたことで短期的な伸びの鈍化は想定されるものの、これからも、社会・産業におけるイメージセンサーの重要性はさらに増していくと見込まれます。